何故、”新しいiPad”と言う名前を付けたのか?
”The new iPad”までの経緯
iPad2と比較した時の大きな変化といえば、画面解像度が上がった事と4G LTEの高速通信に対応した事くらいだろう。細かい事を言えばカメラの性能が上がったり、グラフィックの処理能力が上がったり、Bluetooth4,0に対応したりもしている。日本語対応の音声認識もあるが、そちらはiOSとしての進化であるし、どちらかと言うとiPhone向けの機能だと判断しているので今回は深く考えないでおく。ちなみに言わなくてもいいことまで言ってしまうと、新しいiPadは約1mm厚くなり、約50g重たくなった。
そして私を含め、多くのAppleファンが注目していたのが新しいiPadの名称だ。噂では"iPad3"や"iPad HD"といった名称が飛び交っていたし、私もそのどちらかの名称で来るだろうと予想していた。しかし当日、Keynoteのブログ中継を見ていたが一向に新しいiPadの名称が出てこないのだ。待てど暮らせど出てこないのだ。iPadのイメージビデオが再生され、cmが再生されたがそれでも新しいiPadの名称が出てこないのだ。twitterでは「名無しのiPadか?」等といったジョークまで飛び出して来た。私もその時「ヤベェ……。名前言うタイミング逃したよ~。今更3ですって言えないしなぁ。どうしよう?」とクックの気持ちを冗談で代弁したツイートを発信した。
だがついにその時がやって来たのだ。
クックは言われた、「汝、これはNew iPadであるぞ」
人々は困惑した。夕があり、朝があった。第三の日である。
そう、新しいiPadの名称は”The new iPad”。日本語で言うと”新しいiPad”だったのだ。「新しいiPadの名前って何になるんだろうね?」と話していた時、既に答えが出ていたのである。だがこの名称、冷静に考えれば不思議ではない。
前置きがやたらに長くなってしまったが、いよいよ本題である。私が考えるに、iPadはもう特別なデバイスではなくなったのだ。MacやPCに変わる存在、それがiPadなのだ。クックは「脱PCの時代がやって来た」と言っていた。人々の生活に浸透しそこにあるのが当たりまえになった物に特別な名前は要らない。シンプルに”iPad”でいい。当時、MacintoshはPCというジャンルを身近な存在へと変えた。そして今、iPadはタブレットという新ジャンルを身近な存在へと変えたのだ。考えても見れば、iMacも当初は”iMac G3”と言ったような名称になっていたが今では”iMac”だ。