ガジェットと雑談@信濃まつもと

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年金と消費税増税の報道がデタラメなので真実を書く

最近ニュースを騒がす経済関係の報道。「おいおいw」と思いながらもみていたが、10月の消費税増税が決定した事でついに我慢ならなくなったので一気にブログで書くことにしました。

お昼のワイドショーやら夕方のニュースやら、ゴールデンタイムの自称ためになる時事ニュース取り上げ系バラエティーを見えいる人には特に読んでほしいです。

ちなみに、私は高橋洋一さん、藤井聡さんの話を参考にして書いているので、もっと詳しく知りたい人は本を読んでください。

また、コラムを読むだけでも本を読んだくらいの内容があります。

参考コラム 『高橋洋一 日本の解き方』シリーズ 『高橋洋一「ニュースの深層」』シリーズ 『ドクターZは知っている』シリーズ ちなみにドクターZは高橋洋一さんの出身の財務省(旧大蔵省)のZです。

 

消費税増税は今じゃない!

これは単純な話で経済が完全復活していない、しかも海外国内共に落ち込み気味の今、消費増税するのは自殺行為という話です。

過去の5%、8%と消費税増税を経験した国民ならなんとなく分かると思うわけです。

で、ここからが本題で、「なんで増税が必要なの?」って話になるのだけれども、メディアも財務省もデタラメな理由で騙すわけです。

 

年金が足りないから増税だ!

絶好のタイミングで年金が足りない。老後に2,000万円足りない。という話題が出てきたわけです。

だから税金でカバーしよう、というバカな話なわけです。

多くの国民が全くもって勘違いしているこの年金問題

 

・年金は保険

年金は年金保険です。

だから受け取り額が足りないというならば保険料を上げる以外に結論はないのです。

がん保険だってそうですよね。手術代を手厚く保障したいと思ったら当然保険料は高くなるわけです。自動車保険でも手厚くすれば保険料は高くなるわけです。

金保険だけ例外って話はないのです。

 

・年金は何に対する保険なのか

がん保険はガンに備える保険。自動車保険は事故に備える保険。

では年金は何に備える保険なのでしょうか。

金保険は長生きに備える保険なのです。

早死にしたら払ったお金は戻ってこないけど、長生きすれば元が取れるのです。

どのくらいの人が長生きして、どのくらいの人が早死にするのかを統計と保険数理で計算しています。

また、どのくらいインフレになっていくのか、デフレになっていくのかも織り込まれています。

これは「マクロ経済スライド」と言われる仕組みです。

その上でどれだけ払ったら、どれだけ貰えるのかを決めているのです。

なので急な人口減少がおきない限り破綻しようがないのです。

少子高齢化で年金が危ない。などと言っている人もいますが、人口減少なんかとっくにわかっている事なのでそこまで入れて計算されているのです。

なので驚異の伝染病でいきなり日本人が半分になったりしない限り100年は破綻しません。

 

・100年安心を都合よく解釈するメディア

この100年は破綻しないというのを、都合よく100年間年金だけで暮らせる、と都合よく解釈してメディアが放送したのが現状です。

100年間年金だけで暮らせるなんて公式に発表されたことはありません。

ちなみに、ここ最近年金が減ったと言っているのは、我々の平均寿命が伸び、さらにデフレ状態が続いていたからです。

マクロ経済スライドの廃止を訴える人がいますが、勘で運営しろとでも言うのでしょうか。

かなり高リスクな事であり、マクロ経済スライドを使う理由を理解していないか、理解していない国民を騙し、政争の具に使っているだけでしょう。

 

・年金積立金がピンチというが…

事あるごとに「年金積立金の損失が!」とテレビや新聞が言いますが、現在の年金は賦課方式(年金を払っている世代のお金がそのまま年金を受け取っている世代へいく)なのです。

年金を積立方式だと思っている人が多いのでここは要注意です。

年金は賦課方式ですからね。

2014年の財政検証のデータだと年金積立金が年金財源に占める割合は、厚生年金で約8%、国民年金で約7%程度なわけです。

この割合を減らしていくのがベストです。

なぜなら賦課方式で運用しているので積立金は必要ありませんから。

ところが、この積立金で株を運用したりなんかしちゃっています。

GPIFって連中ですね。

しかも運用は民間への委託です。まあ素人はできませんから。

ここで大問題なのはが年間500億円以上の運営経費がかかっているという事です。

テレビも新聞も運用損失がどうのと報道はしますが、そもそも年間500億円以上の運営経費がかかっているって事には触れません。不思議。

ではなぜそんな金をかけて運用する必要があるのか。

答えは簡単です。

あ・ま・く・だ・り。天下り

そもそも今の年金に積立金は必要ありませんが、どうしても積立金を運用するというならば物価連動日本国債を買えばいいのです。

委託料もかからず、インフレに対応でき、損失が出るのは日本が破綻した時なのでリスクは超超超低いわけです。

 

・積立金を強調する安倍総理も悪い

テレビを見ていると、GPIFの運用実績を強調して、アベノミクスで積立金が増えました、年金が増えましたと安倍総理が言っていました。

積立金を利用して国民を勘違いさせる罪は野党も安倍総理も大差ないと思いました。

先ほども書きましたが年金は賦課方式で、積立金が占める割合は数%であり、そもそも必要ないものです。

GPIFの運用がうまくいって増えたところでもらえる額が増えるまでにはどれほど増やせば良いのでしょうか。

少なくとも現状の1%超の利回りでは足りません。

 

・年金を増やすには?

では年金を増やすにはどうすればいいのでしょうか。

ここまで読んだら答えは単純ですよね。

払う保険料を増やす。インフレになる。平均寿命を短くする。受け取り年齢を引き上げる。

これらをやる以外にありません。

与党も野党も絶対にわかっています。わかった上で、どうせ国民はわかっていないだろうと政争の具にしているのです。

バカにするもいい加減にしろ! って感じです。

 

・なぜ賦課方式なのか

ではそもそもなぜ賦課方式なのでしょうか。

賦課方式の最大のメリットはインフレリスクに対応できる事です。

例えば、今話題の2,000万円を積み立てたとしましょう。

でも定年後に今と同じ2,000万円の価値とは限りません。

物価は常に変動するからです。

昔1万円で買えてた物が、1万1千円でなければ買えなくなった場合がありますよね。それがインフレです。

逆に9千円で買えるようになった。それはデフレです。

一か八かでデフレにかけるのは怖いので、マクロ経済スライドで計算して、賦課方式で運用するのです。

それに、我々の資本主義経済は緩やかなインフレを保つのが正常な姿です。

 

マイルドインフレが望ましい理由

なぜ緩やかなインフレを保つことが望ましいのでしょうか。それを書いていきます。

まず、日本だと2%のインフレがベストと計算されています。

なぜ2%かといえば、失業率が下限に達するのがインフレ率2%くらいだからです。 この時の失業率の下限をNAIRUと言います。失業率2.5%くらいと言われています。

ちなみに、各国違います。

インフレ率が上がり出すと雇用が改善して行きます。

インフレ率がある一定まで来ると雇用の改善が止まり、インフレ率だけが上がり続けます。日本ではその境がインフレ率2%なのです。

なので日銀の物価目標は2%なのです。あれは適当に決めたものではないのです。

逆にしっかりとした理由で決めたものなので、達成するまで仕事をきっちりやるべきです。

黒田よ、サボるな!

なぜ緩やかなインフレが良いのかといえば、企業はもとより個人でも、誰もが借金や投資をするからです。

例えばマンションや家を買ったり、車を買ったり、スマートフォン(月々払いで自覚ないだろうけど)だってローンです。

それらローンには金利がつくわけです。

ここで注目なのが、 『実質金利名目金利 - 予想インフレ率』 という公式です。

これを見れば分かる通り、インフレであれば実質金利は低下するので返済負担が軽くなり、より多くの物を買ったり投資できるわけです。

逆にデフレだと実質金利は上がり、返済負担は増します。

そうなるとどうなるかは、長きデフレを経験している日本を見れば一目瞭然です。

この金利低下による投資の増加がとても重要であり、雇用を決める理由です。

 

・?→金利の低下→投資増加→雇用の増加→緩やかなインフレ

金利が低下すると企業は投資を積極的に行います。

では金利低下の前に何をやれば金利が低下するのでしょうか。

神に祈ればいいのでしょうか。

違います。

金融政策です。つまり市場に出回る日本円の量を調節するのです。

今は日銀が日本国債を日本円で買って、日本円を市場に供給しています。量的緩和政策ってやつです。

以前トランプが日銀の金融政策を「金利操作だ!」と批判しましたが、アメリカのFRBも全く同じことをやっています。

FRBが利下げを決定。FRBが利上げを決定。などと耳にするでしょうがあれです。

金融政策は大きく分けて2種類あり、金融緩和(金利を下げる)と金融引き締め(金利を上げる)です。

景気が悪い時には金融緩和(量的緩和政策がそれ)を行い市場が投資しやすい環境を作り景気の改善を図ります。

金利を下げると個人も企業も投資をしやすくなります。

企業は投資をするとそれに伴って人も雇うので雇用が改善していきます。

新しい工場を建てたり、店を出店したりすると人が必要になるからです。

その状態がさらに進むと人手不足になり、今まで雇わなかった層を雇ったり、雇用条件を改善していきます。

そうしないと他社に人材を取られて運営すらままならなくなるからです。

その一環として賃金が上がっていくのです。賃金が低いと他の会社に人材を取られてしまうので当然です。

そうすると今度は賃金に合わせて物価も上がり始めます。人を雇うのに今まで以上に費用がかかるからです。

物価が上がっても賃金も上がっているので問題ないのです。

これがインフレです。

すると先ほどの式で見た通り、さらに投資しやすい環境が誕生します。

これが経済の好循環です。

 

・80年代後半のバブル

私は80年代後半からのバブル経済を経験していない世代ですが、あの時がまさにこの好循環の環境だったのです。

ちなみにバブルの時のインフレ率は3%程度でベストよりやや高いと言える状態でした。とんでもなかったのは土地価格です。

土地価格の急上昇を招いていた法律のグレーゾーンを埋める政策と同時に、やらなくていい必要以上の金融引き締めも同時に行ったので日本経済は急降下してしまったのです。

完全な日銀の判断ミスです。

[aside type="normal"]余談ですが80年代になぜバブルが起こったかを簡単に書いておきます。 プラザ合意で急激な円高へ→輸出企業を中心に大ダメージ→打開策として公定歩合政策金利)の引き下げ→日銀は市中銀行への資金割当を増額→各銀行は低金利のため資金を受ける→受けるが受けたほど融資先がないのでとりあえず不動産を買う→不動産価格が高騰→不動産は資産であり、資産価値が上がればそれが担保になりより資金を得られる→そのお金はまた不動産へ行く→不動産価格が高騰→バブル!![/aside]

 

・2014年の失策

今はというと、アベノミクス、好景気というが、全く景気が良いとは思えないという人がほとんどでしょう。

当然です。

なぜならまだまだこれからという段階で出口戦略がどうのと言って金融緩和の手を緩めているからです。

しかし一番の原因は緊縮財政である消費税増税をしたからです。2014年の8%消費税増税です。

インフレ率が予定より高くなりすぎた時に、過剰な投資熱を冷やすための政策として消費税増税をするならば問題がないでしょうが、2014年の増税前はインフレ率が1.5%程だったので早すぎでした。

実施したタイミングは完全に間違いです。

2014年の時はインフレ率が1.5%程まで上がっていましたが、増税により0%を下回ってしまい、今は1%程です。

2014年のデーターは増税後に一気に2.8%程まで増加していますが、それは消費税増税により強制的に物価が上がったためです。

景気回復まで後一歩という時に消費税増税という冷や水をかけたのでその後一気に景気は下降していきました。2016年には-0.1%にまで落ち込みました。

参照 IMF Country data

あの時、8%に消費税増税していなければ今頃インフレ率2%を達成して景気回復は達成していたでしょう。

その傷が癒えぬ今、さらに10%に増税なのですから頭がおかしいとしか言いようがありません。

 

ややこしい金融政策、財政政

ここにきてかなりややこしくなってしまいました。私も混乱しています。

金融政策と財政政策という似たような言葉が出てきたからですが、簡単に書いておきます。

金融政策:中央銀行が行う政策。金利の上げ下げで民間の投資を刺激する。雇用に直接効く政策。マイナス金利、黒田バズーカなど。

財政政策:政府が行う政策。国債発行、税金の上げ下げ、公共事業などで需要を作り出す。インフラ工事、「コンクリートから人へ」政策など。

金融政策は中央銀行、財政政策は政府。と覚えておくと勘違いは無くなるでしょう。

そして、この二つはセットで行う事で真の力が発揮できるのです。と言うかどちらか一つでは景気回復の効果は薄くなります。

積極財政でインフラ工事をやる時なのどは国債でまかないますが、国債が多くなると金利が上昇してしまうので金融緩和で金利を下げる必要があるからです。

 

アベノミクスの中身に注目

突然にアベノミクスの話かと思うかもしれまえんが、そうではありません。

メディアがアベノミクスの失敗を言いますが、そもそもアベノミクスは3つに分かれています。

1, 金融政策 2, 財政政策 3, 規制緩和

この3つが最初のアベノミクスでした。

最初の頃はメディアもこれに触れていた気がするのですが、最近はアベノミクスと一言で済ませています。肝心の安倍総理もそうなので困ったものです。

金融政策は完璧とはとても言えませんがそれなりに評価できます。

その証拠に雇用状況は劇的に改善しました。新卒者は実感している事でしょう。

自民党のウェブサイトより引用 アベノミクスの成果を数字で見る図

ところが、財政政策と規制緩和は全く評価できません。

特に財政政策は完全に出来損ないです。

先ほども書きましたが、財政政策とは国債発行、インフラ工事、増税減税などです。

不景気の時には民間需要がないので政府が需要を作り出して経済に活力を入れる必要があるのです。

手っ取り早いのが減税です。そして高速道路などのインフラ工事です。

アメリカの国境の壁建設ってやつもこれに当たります。なのでトランプはこの辺しっかり理解しているわけです。

最悪なのは日本の民主党政権時代の「コンクリートから人へ」です。不景気でさらに緊縮財政をやった結果はご存知の通りです。

そして、肝心のアベノミクスはと言うと、国債発行は及び腰です。

さらに景気回復していない状態で消費税増税という緊縮財政を行うのです。

もう愚策もいいところです。

規制緩和も及び腰です。及び腰というか、ダメダメです。

加計学園獣医学部規制緩和の一環ですがその他、一向に発展している気配がありません。

例えばライドシェア、自動運転、電波オークション、保育園の基準などです。

ちなみに、加計学園も勘違いしている人が多かったのですが、あれは申請許可を可能にしただけです。

申請の結果、獣医学部新設が許可されるかされないかは別の話です。

申請すら出す事のできなかった状態が異常だったのです。

反対していた玉木雄一郎さんも2010年では獣医学部新設に前向きでした。なぜそれが突然反対と言い出したのかはわかりません。

獣医学会からの100万円の献金が原因か、安倍総理への対抗策としたからかはわかりません。

意見を変える事は良いのですが、その理由を有権者としては知りたいです。

 

国債=国の借金は間違

積極財政では国債を発行しますが、ここで出てくるのが国債は借金という発想です。

借金といえばそれまでですが、国債は投資です。

リターンが見込める投資案件だから借金をしてやるのです。

例えば、地震対策で考えてみましょう。

何もしなくて巨大地震が来て経済損失が200兆円になったとします。

一方で50兆円の国債を発行して地震対策をすれば経済損失が100兆円で済むとします。

すると国債を発行した方が50兆円特になるわけです。

数字は違いますが、実際このようなシミュレーションもされているわけです。

参照:藤井聡 南海トラフ地震は被害1410兆円、回復20年

 

さらに最近では教育費の無償化が取り上げられていますが、教育も投資なので国債で行うべきです。

実際に高度教育を受けた人は所得も高くなるので納める税金も多くなりリターンが見込めるわけです。

国債=借金=悪、という単純な考えは間違いです。

 

・国の借金1000兆円

最近はあまり話題になりませんが、国の借金が1000兆円、国民一人当たり800万円などという見出しが新聞にありました。

聞いた事がある人も多いかと思います。

これも全くもっておかしな話で、資産には一切触れないのです。

例えばトヨタ自動車の負債額だけを見て経営危機だという人はいないはずです。資産側も見て総合的に判断するでしょう。

国も同じはずですが、資産側の報道は一切ありません。

それはなぜか。

借金だけ強調していた方が、借金を返すために消費税増税しなければならないという戦略が使えるからです。

民間企業ではいざという時に備えましょうと保険商品が売れるからです。

ちなみに、日本は負債とほぼ同額の資産を持っていますので財政は健全です。

クレジットデフォルトスワップCDS)という物があります。

CDSとは国債などにかける保険なのですが、それを元に計算した日本の財政破綻確率は5年で1%未満となっているようです。

ちなみに、2019年7月7日で、日本よりリスクが高い国はカナダ、フランス、イタリアなどです。

 

・ツケを将来世代に残すな、の間違い

国債=借金=悪、という単純な考えの中で生まれた「ツケを将来世代に残すな」という考えがあります。

国債はツケなので消費税でまかなえというのです。

これも全く持ってトンチンカンな考えです。

第1に、現役世代で全てまかなうとういうのがおかしな考えなのです。

例えば先ほども書いた災害対策は現役世代だけでなく将来世代も恩恵を受けるのでツケではありません。

30年使える道路を作るならば30年国債で30年かけて償還するのが正しいのです。

100年に一度の大地震に備えるならば100年国債でまかなうのが正しいのです。

第2に、ツケを将来世代に残すなと言って消費税増税をやり、景気が最悪の状態になってはそれこそ将来世代へのツケではないでしょうか。

 

・あまりに酷い復興増税

このツケの悪い例が東日本大地震の後に登場した復興増税です。

被災地復興の目的で所得税法人税、住民税が増税されました。

さらに2037年まで増税されていく予定です。

復興目的と言いながら、景気を悪化させる増税政策です。

地震でダメージを受けた日本をさらに痛めつける増税を実施したのです。

やるならば復興国債のはずです。

被災地の経済活動を復活させ、地震に強い日本を作るという投資です。

 

医療保険の財源も消費税だ!

話が最初に戻りますが、年金と同様に財源が足りないと明後日の議論になっているのが医療費です。

年金が保険だったように、医療保険も当然保険です。

払っているのは国民健康保険料、社会保険料です。

病院へ行く人と健康な人がいて、それを統計と保険数理で計算されて成り立つシステムです。

なのでもっと手厚くというならば、当然保険料を上げる以外にありません。

ところが、政府どころか企業(大企業、経団連)までが消費税でまかなう事に異議を唱えません。

年金も健康保険も消費税増税で対応というのはなぜでしょうか。

それは、年金も健康保険も労使折半だからです。

 

サラリーマンは年金も健康保険も労使折半

例えばあなたが年金と健康保険で月々4万円払ったとしたら、会社も4万円払って、計8万円が国に納められているのです。

なので保険料が上がると会社の負担も増えるのです。

それなら増税してでも税金で払って欲しいというのが企業の考えなわけです。

消費税増税でまかえば結局は景気が悪くなって企業もダメージを受けるのですが、大企業の経営陣は自分で会社を立ち上げていない雇われ経営陣ですから、今だけよければ別によいと思っているのでしょう。

 

・年金ちゃんと払われていますか?

この労使折半が原因で起きた事件があります。今でもあるかもしれません。

それは給料から天引きされているのでしっかり年金を払っていると思っていた労働者が、いざ年金をもらう時になったら年金を払っていないと発覚したのです。

どういう事かと言うと、企業が労働者から天引きするだけ天引きして、払うべき年金を払わず、ネコババしていたのです。

そんな対策で登場したのが年に一回配られるねんきん定期便です。

今まで自分がいくら年金を払ったか、今のまま行けばいくらくらい貰えそうかが書かれています。

会社が支払いをネコババしていた場合、気づく事ができます。

また、ねんきんネットと言うサイトに登録しておけば、月ごとにしっかり払われたかを確認することもできますし、ねんきん定期便を電子通知で受け取る事もできます。

ぜひ活用しましょう。

 

保険料を払えない人のためには所得税

ここまで保険は保険料でと書いてきましたが、世の中には病気や怪我でどうしても年金や健康保険を払えない人がいます。

その人達の分はどうしても税金でまかなう必要がでてきます。

ただし、それは消費税ではありません。

なぜなら消費税は病気や怪我で保険料を払えない人が買い物をする時に負担しなければならない税金だからです。

なのでそう言う場合は所得税などの累進課税を使うのが常識です。

所得税は所得多ければ払う額も多くなり払う額も多くなります。

では何故、いっこうに所得税の話が出てこないのでしょうか。

テレビ局も、スポンサーの大企業も、高所得者層ばかりなので所得税増税は自分が払う税金が多くなるので困るわけです。なので一切触れないのです。

さらにそれらが各党の支持母体でもあるので尚更触れません。

全く困った話です。

 

ここが変だよこの政策

最後に、ここ最近ニュースになっていた政策について書きたいと思います。

難しい事ではなく、単純に疑問に思う事というか矛盾点です。全てパフォーマンスだと私は感じています。

 

就職氷河期支援政策は形だけ

政府が就職氷河期世代を支援するというニュースを見ました。

おそらく本気で支援する気は皆無です。

なぜなら消費税増税を決定しているからです。

先ほども書きましたが、消費税増税をするタイミングではありません。

景気が回復していない今、消費税増税をすれば需要が冷え込み投資は落ち込みます。

当然、雇用も縮小せざるおえなくなるでしょう。

いくら技術を身につけさせようとも、そもそも雇用状況が悪ければ採用されるわけがないのです。

それどころか新たな就職氷河期世代を誕生させてしまうでしょう。

逆に景気回復をしっかり行えば人手不足になり、就職氷河期や高齢者でも採用しよういう動きに自然となっていくはずです。

雇用を悪化させる消費税増税を実施しながら、就職氷河期支援などと言われても、パフォーマンスと思わずにはいられません。

 

外国人労働者を入れておいて就職氷河期支援とは何事か

さらに悪いのが外国人労働者の受け入れです。

外国人労働者を受け入れて働かせるのは結構な事ですが、まずは日本にいる日本人の雇用を確保してからの話です。

就職氷河期支援などというならば、なぜ外国人労働者を受け入れる政策を実施したのでしょうか。

「AIや機械に雇用を奪われる!?」などと騒いでいたテレビもコロッと報道方針を変えてしまいました。

就職氷河期の問題を解決して、働きたい高齢者の問題を解決して、AIや機械への投資をしっかりやって、それでも人手不足ならば外国人労働者で、というならばまだわかりますが。

いきなり外国人労働者ですから理解に苦しみます。

そして経団連はこの外国人労働者を受け入れる政策を支持し、政府は実行しました。

それはなぜか。

低賃金労働力を求める経団連が大きな支持母体だからです。

AIや設備投資するより金がかからず、安い労働力を手にできるからです。

ルフレジを導入するより、外国人を雇った方が安いからです。

いらなくなったら国へ帰ってもらえば良いからです。

でもそう簡単に事が進むのでしょうか。

多くの外国人労働者を受け入れてきたEUの今の姿を見る限り、必要ないからもう帰ってくれと言って帰るほど単純でない事は明々白々です。

 

外国人労働者が思っているほど日本は豊かではない

ベトナムの若者がテレビのインタビュー(NHKの変な番組じゃなくて夕方の民放だった記憶)で日本で稼ぐと言っていました。

ですが日本は彼が思い描くほど豊かな国ではなくなっています。

豊かでないというか、他の国が豊かになってきているので、日本の豊かさが目立たなくなってきているのです。

私は以前、ホーチミンでフォー(麺の食物)のチェーン店でフォーを食べましたが、日本のはなまるうどんの方が安くて驚きました。ホーチミンは大都会ですが、はなまるうどんだって大都会東京にあります。

高層ビルが建ち、建設中の建物も多くありました。若者だけでなく年配者も、怪しいバイクタクシーの運転手もスマホをいじっています。

24時間のファミリーマートがあって、カフェではWi-Fiが使えました。

日本と大きな差は感じられませんでした。

もちろん郊外はまだまだ日本には及ばない状態ですが、20年前にホーチミンの現状を予想していたでしょうか。

日本が20年余り停滞している間に、東南アジアは急成長してきているのです。

普通ならば日本も成長していくべきでしたが、投資(先ほど書いた財政政策。インフラ投資など)を全くと言って良いほどしてこなかった現実があります。

この異常さに気がつくべきだと私は思います。

 

・軽減税率、増税対策という愚策

今回の消費税10%への増税増税対策として軽減税率が導入されます。

酒類・外食を除く飲食料品は今と同じ8%になります。

そして、新聞も8%のままなのです。

社会保障が足りない、年金が足りない、国の借金が1000兆円を超えた、増税が必要だと書き続ける張本人は増税の対象外なのです。

理解に苦しみます。

他にも増税対策を行う予定で、その予算は2兆円にものぼります。

財源不足と嘘をつき消費税増税をし、その対策に2兆円の財源を使う。

もうめちゃくちゃです。

 

消費税増税で2021年に最悪の経済状況になる

私は今回の2019年10月の消費税増税で2020年後半から2021年で景気は急激悪化すると思っています。

おそらく時の政府と財務省はオリンピックが終わった事による景気悪化などというでしょうが、間違いなく消費税増税が原因です。

2019年10月の増税でなぜ2021年に経済が悪化するのかと思うかもしれませんが、財政政策や金融政策の効果が一般市場に波及するにはタイムラグがあるからです。

まずは株などの金融市場が影響を受け、じわじわと一般市場へ波及していくのです。

あの80年代バブルが89年にハジけた時もそうでした。バブルの代名詞とも言えるジュリアナ東京は91年のオープンです。

金融市場が大打撃を受けた時、一般市場はまだバブルの余韻があったのです。

5%への消費税増税、8%への消費税増税の時を見ても1~2年後に一般市場の景気が急激に落ち込んでいます。

ちなみに、3%の消費税が導入された時は物品税という税金が撤廃されたのでプラマイゼロで大きな変化はありませんでした。

 

という事で、長々と書きましたが以上です。

 

おまけ

というかこれを見ればだいたいわかる。