Fortniteは仮想現実に最も近い存在だと思う理由
今回はFortniteが新たな世界になると面白いよねって話。なんのこっちゃと思うかもしれないが、そこまでとんでもない話でもない。
場所と体験
ちょっと質問。
最近やった楽しかった事は?
ウェブ飲み会という人もいるだろうし、デートという人もいるだろう。私の場合はFortniteでのASTRONOMICALのワンタイムイベントだ。
最近行った楽しい場所は?
公園という人もいるだろうし、友達の家という人もいるだろう。私の場合はスウェティサンズ(ワンタイムイベントが行われたFortnite上の海辺エリア)だ。
言われれば当たり前だが、楽しい場所と体験はリンクするのだ。
楽しい体験でゲームと答える人はいそうだが、楽しかった場所でゲームの世界の地名を答える人は少ないだろう。
だが、何もおかしいことはない。何故ならばFortnite上では既に体験(ゲームの枠を超えた)を提供されているので、その体験地がFortnite上でもおかしくない。
現実の場所とFortniteの場所は大差ない
一昔前ならゲーム中毒の妄言程度の「現実の場所とFortniteの場所は大差ない」の発言は、今はごくごく常識の範囲内だ。
ちょっと昔の話。
私が子供の頃は、友達の家に集まった。
電話をして、約束の時間に友達の家へ行く。ゲームをしながらしょうもない話で盛り上がった。
今はFortnite上に集まれば良いのだ。
実際に、このコロナによる学校が休校の中、親戚の子はその友達とFortnite上に集まりボイスチャットで会話しながらゲームを楽しんでいる。
その光景は、家に集まるかFortniteの世界に集まるかの違い以外は私の子供の頃と変わりない。
コミュニケーションツールとしてのFortnite
文通、電話、ポケベル、携帯電話、メール、LINE、とコミュニケーションツールは進化を遂げてきたが、今そこにFortniteが加わろうとしている。
自分のスマホを持っていない若年層においてはその傾向が強い。
ゲーム機とネット環境さえあればコミュニケーションが可能なのだからハードルは低い。
既にスマホやLINEを使っている人間からすれば不思議に思うかもしれないが、スマホやLINEが登場した時、ガラケーを使っていた人の多くが、何故そのような物を使うのか不思議に思ったはずだ。
「携帯電話でいいじゃないか?」と思ったはずだ。
今では誰もがLINEを使っている。LINEですら古いツールになりつつある。
今のコミュニケーションツールはTikTokが強い。あれはショート動画の投稿アプリだろうと思うが、10代はそれをコミュニケーションツールとして使っているのだ。
なので小学生ほどの若年層がFortniteというゲームをコミュニケーションツールに選んでいる現実もなんら不思議はない。
現実と仮想現実(Fortniteの世界)を曖昧にするワンタイムイベント
先ほどの場所と体験の話に戻る。
それを決定付けたのはワンタイムイベント。ワンタイムイベントは体験と場所を、Fortnite上(仮想空間)に提供した。
全世界のプレイヤーが同時刻に音楽ライブなどを楽しむ事ができるのだ。
直近ではTravis ScottというラッパーのライブがFortnite上で行われた。
現実世界のライブ同様に、指定時刻に世界中のプレイヤーが集まり楽しんだ。
1230万人が集まってライブを楽しんだのだ。
過去にはスターウォーズとのコラボワンタイムイベントが開催されている。
このワンタイムイベントの可能性は大きく、例えばサッカーのパブリックビューイングなどもできる。
実際にFortniteのマップにはサッカー場があるので、そこにサッカー選手を置いてリアルタイムで反映する事も不可能ではない。
もはや現実か仮想空間かという事は大した問題ではないのだ。現実と仮想空間の線引きは不要な時代に突入したのかもしれない。
『パーティーロイヤル』というモード
今回のFortniteのアップデートでパーティーロイヤルというモードが加わった。
簡単に言えば、ただただのんびりとすごすモードだ。
町があり、釣り場があり、ライブステージもある。バトルをしたくなったらバスに乗ってバトルへ出発できる。
ただ過ごすだけでなく、今後のアップデートでその街で買った商品が家に届くという事もあるかもしれない。
epic(Fortniteの制作会社)はFortniteをただのオンラインゲームで終わらせる気がないように思えるし、終わらせるのは実にもったいない事だ。
完全な仮想現実へ、今後の課題
これはどのサービスにも言える事だが、Fortniteを遊ばない人をどう引き入れるかが重要だろう。
1, 他のゲームから引き入れる、既存サービスとの融合
・アバターの重要性 Fortniteに登場するキャラクターはとても1つのゲームのキャラクターとは思えないほど個性豊だ。
マッチョな猫に少女、金ピカおじさん。
もしかしたら、違うゲームの世界からFortnite上に集まったのかもしれない、とさえ思える。
そう思わせるのはアバターの違いだ。
Fortnite以外のゲームのアバターでFortniteができるようになるかもしれない。
もっと言えば、アップルのミー文字のように、自分のアバターをあらゆるゲームで同期して、Fortniteで過ごす日が来るかもしれない。
マヤはそのベータ版ではないのか?
チャプター2シーズン2から「マヤ」というキャラクターが追加された。
組み合わせで自分オリジナルのアバターが製作できる。それがマヤだ。アップルのミー文字と考えるとわかりやすい。
・ゲームをまたぐ事は容易 一見、違うゲーム間で共有する事は難しそうだがそうでもない。
そのハードルを下げるのが、クリエティブモードであり、エピックのゲームエンジンだろう。
Fortniteにはクリエティブモードというものが用意されている。本編とは無関係のミニゲームや練習ゲームを一般ユーザーが作り共有できるモードだ。
とてもクオリティの高い作品も多くある。FortniteでありながらFortniteではないゲームだ。
またマップから作る事もできる。マインクラフトのような感じだ。
その全く新しいゲームやマップを自分のマヤ、アバターでプレイする。
または友達と旅行する(Fortnite上の町や森で過ごすという意味。パーティーロイヤルがこれに近い)。
音声チャットを使いながら、Fortniteの町を友達と歩く。普段、私達が現実の町でやっているように。
そのFortnite上の町にある服屋で買い物をして、その服が家に届く(この機能は私の予想であり願望)。
Amazonでの買い物をFortnite上で行うイメージだ。
そう、既にAmazonで我々は行っているのだ。その画面がAmazonか、Fortniteかの違いでしかない。
これらの事が可能になるのではないか。というか、80%くらいは既に可能になっている。
2, ゲーム無関心の人を引き入れる
・先ほどのコミュニケーションツルーとして引き入れるパターン
この方法はスムーズにいくかもしれない。大勢の人が使っていれば使わない人も使わざるを得なくなるのだ。
私はLINEを使っていなかったし、使いたくもなかったのだが、それ以外に連絡手段がない人が多く、致し方なく使うことになった。
このような流れで、一定のユーザー数がいれば否応無く使わざるを得なくなるのだ。
・ライブイベントで集める 先ほど書いたFortniteのワンタイムイベントがこれに当たる。
音楽アーティストとのコラボや、映画コラボがすでに行われているが、それをきっかけでFortniteを始めた人もいるだろう。
現実世界のライブを3Dモデルでリアルタイムに映し出す事も可能だし、サッカー中継も可能だし、ファッションショーのパリコレも可能だ。
すると例えば、現地に行けない人はFortnite上で楽しむ事ができる。
今回のTravis Scottの音楽ライブのワンタイムイベントは世界中が武漢発症の新型コロナで外出できない中で行われた。
まさに現地に行けない人々が楽しんだのだ。
そしてこれらは何もFortniteのマップに出現させる必要もない。
クリエティブモードのように、専用のステージマップを用意すれば良いのだ。
ということで、Fortniteは単なるオンラインゲームの枠を超え始めている。
少なくともその土台は既に完成している。
以上、Fortniteと仮想現実の話でした。
余談:インフィニティブレイドってゲーム知ってる?
Fortniteを知らなくても、Apple好きの人はインフィニティブレイドというゲームを知っているだろう。
2010年のiPhoneのプレゼンテーション時に、「iPhoneではこんなリアルな3Dを楽しめるんだぜ!」とプレゼンテーションしたゲームだ。
そのゲームの製作がFortniteを手掛けるepicだ。
ちなみに、Fortniteにはインフィニティブレイドの武器が登場した。
Spyjinxというゲーム開発に注力するため、epicはインフィニティブレイドの開発をやめた。
Spyjinxというゲームの世界観はFortniteとよく似ている。