ガジェットと雑談@信濃まつもと

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何故テレビはクイズ番組ばかりになったのか?

ここ数年のテレビはワンパターンクイズ番組で面白みに欠ける。もちろん面白い番組もあるが、大概つまらない。では何故つまらない番組ばかりなのか?



1. 企画アイディアが出尽くし枯渇したから
2. クレームをさけて行動が制限される
3. 予算が足りない


まずは1だ。これは正解ではない。深夜枠では斬新な企画もまだまだあるし、王道に色づけをすればまた新しい企画が生まれる。アイディアが出尽くすという事は絶対にあり得ないことだろう。

次は2に注目しよう。これを原因と言うのは所詮いいわけでしかないので不正解。テレビ番組に対するクレームはテレビが登場した当初からあった事で大した問題ではない。「危ない」「子供がマネする」「食べ物を粗末にするな」等々あるが、危ないと思うなら自分でやらなければいい話で、子供がマネするなら親が注意すればいい話で、人の食べものより自分の食べのもだけ心配していればいいだけの話である。所詮いいわけでしかない。

最後に3だ。これは正解だが不正解でもある。なぜなら低予算でも面白い番組は存在する。低予算で面白い番組は企画内容がいいのだ。だが、面白いアイディアが存在しても予算不足で断念せざるおえない企画も存在する。だがこの予算不足は本当の予算不足とは言いがたい。どういう事か、それを説明しよう。


まず大雑把にテレビ番組の金の流れを説明すると、

スポンサー
広告代理店
テレビ局
制作会社
(下請け制作会社)

という順番に金が降りてくる。


バブル時代、スポンサーが1億円のスポンサー料を出したと仮定しよう。実際はもっと多いと思うが、分かりやすく1億円とする。

スポンサー 1億円払う
広告代理店 1000万円貰う、残り9000万円
テレビ局 5000万円貰う、残り4000万円
制作会社 1000万円貰う、残り3000万円は制作費

制作費は3000万円。ここにスポンサーがあと数企業つけば制作費は増えていく。


ではバブル時代が終わった今、スポンサーが7000万円のスポンサー料を出したと仮定しよう。

スポンサー 7000万円払う
広告代理店 700万円貰う、残り6300万円
テレビ局 5000万円貰う、残り1300万円
制作会社 500万円貰う、残り800万円は制作費

制作費は800万円。ここにスポンサーがあと数企業つけば制作費は増えていく。


テレビ番組の予算不足の主な原因はこれだ。何処が問題か分かるだろうか? そう、バブル時代は終わってもテレビ局の取分はバブル時代のままなのだ! そのしわ寄せは制作会社にやってくる。テレビ局は放送するところであって、番組を作る(スタジオセットを組んだりロケに行ったり編集したり)のは制作会社だ。一番金を必要としている所が一番金がないというとんでもない状況が発生している。

そこにきてテレビ局は「あのタレントを使ってくれ」「あのアイドルを使ってくれ」と要求をする。タレントもアイドルも当然ギャラが発生する。するとさらに制作費は減ってしまう。結果、ワンパターンクイズ番組が完成してしまうのだ。

ワンパターンであるが故、視聴者も飽きて観なくなる。観なくなればスポンサーも金を払いたがらないので、スポンサー料が減る。まさに負の連鎖である。


この金の流れを変えていかなければ予算不足の問題は一生解決しないだろうし、かつてテレビ全盛の盛り上がりを取り戻す事も到底不可能と思える。



余談であるがこの話を真剣に私としたのは某局ADで、奴もこの問題を真剣に考えていたし、おそらく他の若い衆も同じように問題を考えているだろう。そろそろ世代交代、メディア交代となる事を願っている。